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東京都台東区にある

浄土宗の寺院です。

浄土宗 真行院
〒111-0051 東京都台東区蔵前4-12-5
 03-3863-2525

お盆              2017.7.10       

 

もうすぐ『お盆』がやって参ります。『お盆』は日本に古くから根付いている風習であり、日本人なら誰もが知っている行事です。お盆の由来は、お釈迦様のお弟子様のひとりである目連尊者が、神通力を使って亡くなった自分の母親の姿を探して見つけると、母親は六道のうち餓鬼の酒井に落ちて苦しんでいました。驚いた目連尊者はお釈迦様のところへ行き、どのようにしたらいいか相談すると、「90日間の雨季の修行を終えた僧侶が7月15日に集まるので、その人たちにごちそうをして、供養しなさい」とこたえました。目連尊者がそのとおりにすると、母親は餓鬼の苦しみから救われました。お釈迦様は、「同じように、7月15日に飲食を盆に盛って、仏や僧や大勢の人たちに供養すれば、その功徳によって多くのご先祖様達の供養になり、今を生きる人々も幸せにすることができる」と説いたのが由来となっております。それが日本に伝わる過程や、日本独自の変化を遂げ、現在のような形になりました。

            

今の日本のお盆の基本は、7月(または8月)13日にご先祖様をお迎えし、7月(または8月)16日にお送りします。その際、お仏壇とは別に精霊棚をお飾りし、キュウリの馬とナスの牛を置いて、お墓をお掃除し、玄関先でおがらを焚いたり、お寺やお墓に提灯を持っていき、迎え火をつけてご先祖様をお迎えしました。また盆踊りや花火大会等、様々な形で地域一帯となってお盆の先祖供養を行いました。しかし、生活様式の変化などでよい風習がなくなったり、形を変えてしまったりしておりますが、根本にある一番大切なことは、先立たれた大切な方や、ご先祖様に感謝し、供養する心でございます。それは、今わたしたちがここにいるのは、命のバトンをつないできたご先祖様のおかげさまがあってのことだからです。私たちが今このパソコンやスマートフォンでこの文章を見ている事も、観光したりテレビを見たり映画をみたりして感動する事も、おいしいご飯が食べられる事も、日々生きていくことも、ご先祖様が命のバトンをつないでくれたおかげであり、ご先祖様が仏様の世界、『極楽浄土』から目に見えない大きな力を与えてくださるからできている事です。

私たちにお父さんとお母さんがいるように、お父さんお母さんにもお父さんとお母さんがいます。そのおじいちゃんおばあちゃんにもお父さんとお母さんがいます。そのひいおじいちゃんひいおばあちゃんにもおとうさんとおかあさんがいます。そういった命のリレー、その大いなるご縁に感謝の気持ちを向け、その気持ちを自分の日々の生活に取り入れていただければと思います。せっかくのお盆休みだから海外旅行やショッピングという方も最近は多いですが、少しでも多く、ご先祖様に気持ちを向けていただければと思います。

私たちもいずれ命が終わり、いずれご先祖様と呼ばれる身でございます。どうぞ次の世代、その次の世代に、日本人の築き上げたよき風習を伝えていただければと思います。                 合掌   南無阿弥陀仏

                                                                                        

      

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